ターナーの「崇高」と「雅」な梅
2018年 03月 16日私にとってターナーは特別な存在。
初めて心を揺さぶられたのがターナーの絵だから。
学生時代、ロンドンのナショナルギャラリーのターナーを見て、
自然の偉大さに包まれた時のような感動を得て絵の前に立ち尽くした。
今回のターナー展の解説ビデオを見て、
「海を目の当たりにしたような・・・」と思った最初の感覚が、
見当違いのものでなかったことを確信した。
「崇高」というキーワードが種明かし。
自然に圧倒された時に感じる畏敬の念。
ターナーは、そのような「崇高」を風景画に与えようとしたという。
落雷で倒れた羊の群れ、嵐の海に果敢に挑む漁師たち。
荒々しい自然と希望をもたらす虹や光、牧歌的な情景。
ターナーの作品の一つひとつが捉える自然の多面性。
総合展示も併せた贅沢な鑑賞後は、タクシーでガーデンパレスホテルへ。
お庭の花木や鯉を眺めながらレストランで、ゆっくり食事。
食後は狛猪が護る御王神社の境内を散策。
足腰に御利益があるという。
そして御所の御苑へ。
優美な空間の中で美しく咲く梅林の中でのんびり佇んだ。
枝垂桜も梢で何輪かが咲いているのが見えた。
来週あたり、花がほころんだ頃を想像するだけで圧倒される存在感。
ターナーの「崇高」な風景と、こじんまりとしたホテルの庭、そして「雅」な御所の庭。
3月中旬とは思えない陽気と美しく澄んだ青い空の下で、
ターナー プラスアルファの愉しみの数々を得た一日。
心を充たす雅やかな休日となった。
by lazygardener
| 2018-03-16 22:10
| 美術
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