李 良枝「由煕 ナビ・タリョン」を読み終えた。

新聞に掲載された「台湾生まれ 日本語育ち」の著者、温又柔氏のコラムに触発されて手にした李 良枝2冊目。

書名を誤解してた。
ナビ・タリョンが由煕の韓音のカタカナ表記と思い込んでいたが、違った。
「ナビ・タリョン」「かずきめ」「あにごぜ」「由煕」の4作品が収録されている。
「ナビ・タリョン」は処女作。「由煕」は芥川賞受賞作。

「ナビ・タリョン」は重苦しく主人公の周辺世界を描く。
両親の不仲。長年にわたる離婚裁判。家出。人種差別。不倫。二人の兄の死。
息が詰まるような重苦しさの中で主人公が出会う韓国の伝統芸能、カヤグム、パンソリ、サルプリ。
カヤグムの散調や、サルプリに現されるのは浄化された魂の慟哭。
それらの芸能の先に見える羽を翻しながら飛ぶ蝶の姿。

「サルプリのサルは世俗の恨、プリはそれを解く。」
遠くに見える何か。何かは解らないけれど確かに見えるもの。
それを見つめて踊るというサルプリの金先生のことば。
「蝶」はそのイメージに他ならない。

小説が完成した時に作者の煩悶が「蝶」へと転じるというのが、
タイトルの所以ではないだろうか。

ナビは蝶、タリョンは口癖。「嘆きの蝶」と訳されている。
だが、蝶が顕れた時点で嘆きは消え、
翻弄される哀しみの情景へと昇華すると捉えると、
「蝶の舞」のように訳した方が良いのではとも思った。

続く3作品は少し読むのに疲れた。
「かずきめ」「あにごぜ」という言葉の意味もわからない。

「由煕」を読み終え、渡部 直己氏の解説を読んで、
小説に描かれる著者の自伝的モチーフの反復を意識すると、
処女小説で昇華したと思われる「蝶」は幻にすぎなかったのかもと思えてくる。

アイデンティティを探りつづける重苦しさは反復によって読者に伝えられた。


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# by lazygardener | 2017-09-06 15:37 | book | Comments(0)

花贈りの幸せ

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庭の花を寄せ集めたアレンジ。
母の誕生日を祝う花。

ジニア、ヒメヒゴタイ、ガウラ、ウエストリンギア、
ランタナ、サルビア、アナベル、ヤブランの花に、
ユーカリ、メラレウカ、アサギリソウ、ヘンルーダ、
ローズマリー、ムラサキゴテン、プレクトランサス・アルゲンタツスの葉。
朝の庭で摘み取ったばかりの花や葉を挿して、
カリグラフィーカードを添え、リボンを結ぶ。

こんな花を贈れる相手がいることの幸せ。
花贈りの準備時間が愛おしい。

家庭の「おばんざい」のような花。
地味だけど優しい味わいを喜んでくれる人がいることの悦び。
花贈りの幸せをしみじみ感じる時。

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# by lazygardener | 2017-09-03 14:04 | | Comments(0)

7月28日 新潟県燕市から カフェテリアコーヒードリッパーとバールドリップポット

これはイメージで選んでしまった、後悔の品。

ペーパードリップ派だが、ペーパーレスに惹かれた。
ところが、このドリッパーでは、好みの味が引き出せないことが判明。
ヨーグルトの水切りに使えるかもと試みたところ、
金メッキが剥がれてヨーグルトや乳酸が青くなった。
ポットは湯沸し時間が長くて実用に適さない。

8月24日 新潟県燕市から 波刃ナイフ

切れ味の良いパン切ナイフ。
柄の握り具合も心地よい。
愛用の品となること間違いなし。



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# by lazygardener | 2017-09-01 17:12 | 暮らし | Comments(0)

7月に送って頂いた品々

7月5日 静岡県湖西市から 浜名湖うなぎ

何度も送って頂いているお気に入りの味。
先ずは土用丑に頂く。
ぷっくりやわらかな美味しさが元気の素になりそうな気がする。

7月5日 長野県千曲市から あんず

あんずジャムは自家製に限る。
市販のものとは異なる格段の美味しさが短時間で仕上がる。
糖分を控えても空気抜きすれば冷蔵庫で一年は持つ。
半割で冷凍しておけばフローズンドリンクにも最適。
バナナ、みかん、牛乳、ヨーグルト等と合わすミックスジュースも美味。

7月28日 山形県尾花沢市から尾花沢産完熟ブルーベリー

一昨年、初めて尾花沢のブルーベリーを頂いて質の高さに感激した。
昨年は量につられて他の自治体に浮気したが、違いを実感。
今年は「量よりも質を重視」して尾花沢から送ってもらおうと決めていた。
少し実が柔らかすぎるのが気になったが、大粒でとても甘い。
生食した残りは冷凍保存。
冷凍庫をあけるたびに贅沢なつまみ食いをしてしまう。

8月に送って頂いた品々

8月8日 山形県三川町から 完熟トマト

絶品トマトに舌鼓を打った。
大きなトマトだが、たちまち1個をペロリ。
美味しさの感激を伝えたくて、
「贅沢トマト丼」のレシピをcookpadに公開。

8月18日 山形県天童市から   もも(あかつき)

完熟の真っ赤な桃が届いた。
熟し度が高すぎたのか、輸送のダメージなのか、ひどい状態のものも見受けられたが、
丁寧に水洗いして産毛をとって、
皮ごとコンフィチュールにするとリンゴ以上に赤く染まって感激した。
このレシピも「桃の彩そのまま封じ込めるコンポート」としてクックパッドに公開。


8月21日 山形県鶴岡市から鶴岡特産だだちゃ豆(白山)

昨年はジップ式の袋に詰められていたが今年は普通の袋。
(1年近く冷凍していたので比較が容易。)
袋はがっかりだったが、豆の大きさは昨年よりも大きくてしっかりした豆。
白山 だだちゃ豆 元祖 森谷藤十郎とある。
元祖の誇り高き枝豆を頂いた。
もちろん冷凍庫へのストックも!


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# by lazygardener | 2017-09-01 16:30 | 暮らし | Comments(0)

「刻」  李 良枝 

「刻」  李 良枝 

この本を案内してくれたのは温又柔「台湾生まれ日本語育ち」。  
生まれ育った日本とルーツの韓国の狭間で揺れるアイデンティティ。

韓国人としての確固としたアイデンティティをつかもうとする在日韓国人女性が主人公。
日本に産まれ育って韓国を知らないことに苛立ち、
韓国に留学して、韓国語、伽耶琴と韓国舞踊を習うイ・スニ。
韓国での生活に立ちはだかる様々な葛藤。

目覚まし時計の秒針の音が強迫観念を呼び覚ます。
化粧の描写は素顔を隠す仮面の象徴のよう。
〈私は、ずるい。何かをごまかしている〉
〈私の話す言葉は、いつも他人の言葉の引用反復だ〉と煩悶する。
韓国の喧噪など嫌悪しながら、嫌悪する自分を許せない。

「刻」に描かれるソウルは現在のソウルとは別世界。
1984年発表の小説。
私が初めて韓国を訪れたのは1986年。オリンピック開催の前年だった。
まだ新聞や看板には漢字が溢れていた時代。
その時代の日本と韓国の格差も、主人公を苛立たせる要因だったのではと思う。

今日の朝刊の読書の頁に、温又柔氏のコラムがあった。
深く影響を受けた作家の筆頭は、やはり李 良枝という。
次は「由煕 ナビ・タリョン」を読もうと思う。

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# by lazygardener | 2017-08-27 08:54 | book | Comments(0)

「騎士団長殺し 第2部」を読み終えた。

主人公が妻との結婚生活を再開し、妻の子(父親不明)を愛する父となる。

終章を読み終えても、私は何だか穴の中に取り残されたような居心地の悪さを感じる。
二重メタファーに絡まったような感覚。

小説の中で絵が完成に向く様が詳細に描かれる。
第1部、2部の副題「イデア」「メタファー」を通し、物語のプロセスも描かれる。

主人公が通り抜けた不思議な「メタファー通路」の中で迷子になった私。
穴の底までは帰ってきた。免色さんに助け出されもした。
だけど、それ以降は主人公と一緒に歩んでいくことができなくなってしまった。

焼失した「騎士団長殺し」のイメージが、読者一人ひとりの胸の内に新たな物語を紡ぐ。

それが、物語の生まれるプロセスを
小説「騎士団長殺し」から教わった読者の次なるステップなのかも...

第一部の冒頭に顔を出した顔のない男
その男が再び訪れる日のあることを告げて主人公を訪れた日。
それが、第二部最終章のあとの出来事とすれば…と考えると
ペンギンの人形が、「不思議の国のアリス」のウサギのように
私を穴に導いてストンと落として行方をくらました。




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# by lazygardener | 2017-08-23 07:55 | book | Comments(0)

語学学習からの発展

NHKの語学番組「高校生からはじめる「現代英語」」の今月の特集に刺激を受けている。

昨年5月の広島平和記念公園でのオバマ大統領のことば。
そして講師の伊藤サム氏のコメント。
氏のコメントは料理の味わいや奥行きを増すコショウの一振りのよう。

氏の時折のコメントによって、
大統領が個の見解をぎりぎりに抑制しながら公人の演説をしている点に気づかされる。
最上級の「大人スピーチ」。

広島を訪れる意味合いを述べ、核兵器の無い未来を描く大統領。
一方その傍らには核のボタンを持った軍人を待機させての演説。
「核兵器廃絶の理想と現実を示すできごとであったと思います」という伊藤氏のコメントが印象深い。

新聞の戦争関連の特集記事にも例年よりも丁寧に目を通していた。
昨日は72回目の終戦の日。
オバマ大統領の演説にあったように戦争を知る人々の証言を聴くことができなくなる日を思う。

五山の送り火の今日、戦争で命を奪われた多くの人々にも想いをよせたい。



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# by lazygardener | 2017-08-16 08:57 | 語学 | Comments(0)

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言葉を丁寧に扱う作品が好き。
多和田葉子は数年来のお気に入り作家のひとり。

温又柔を手にしたきっかけは、たぶん簡単な書評か何か。
どこで目にしたのか、どんな風に書かれていたのかも覚えていないが…

この本を手にした時には、言葉が主役のエッセイだと思っていた。
が、違った。

言語とアイデンティティの間が丁寧に語られる。

台湾統治の変動の歴史が台湾の「国語」を揺るがす。
世代によって異なる「国語」。

言語とアイデンティティの間を探る作者を惹きつけた、
李良枝の作品にも興味が湧く。

「国語とは?」「国とは?」「母語とは?」
国旗・国歌、地図の線引き。
それらは全て言語的なもの。

学生時代に手にして以来、私の言語観の礎になる、
S.I.Hayakawa "Language in thought and acrion"
「思考と行動における言語」(大久保忠利訳)
に述べられた言葉のとおり。

The symbols is not the things symbolized.「記号は物そのものではない」
The word is not the things.「コトバは物ではない」
The map is not the territory it stands for.「地図は現地そのものではない」

そんな風に「コトバ」を眺めると、「ママ語」の力強さ、偉大さが見えてくる。
中国語、台湾語、日本語のチャンポン表現こそ「コトバ」そのもの。

やわらかな語り口で、読者にいろんなことを考えさせてくれる1冊。

作者あとがきで、本の表紙について語られる。
この種あかしによって、表紙まで愛おしくなる。

まるごと愉しい素敵な本。
この本に出会えたことに感謝!




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# by lazygardener | 2017-08-12 12:16 | book | Comments(0)

核なき世界

8月と12月は戦争を身近に考える。

殊に広島、長崎への原爆投下と終戦の日が続く8月。

8月は仏教由来のお盆とも重なって、死者への想いが募る。

戦争の特集記事が増えるこの時期、

戦争を意識することが戦没者への一番の供養に思う。


NHKの語学番組「高校生からはじめる「現代英語」」の今月の特集は

昨年5月の広島平和記念公園でのオバマ大統領のことば。

番組で取り上げられるのは抜粋編だが、これを機会に全文に目を通した。


「私の国のように核を保有する国々は、

恐怖の論理にとらわれず、

核兵器なき世界を追求する勇気を持たねばならない」

But among those nations like my own thathold nuclear stockpiles,

we must have the courage to escape thelogic of fear

and pursue a world without them.

と、核なき世界にも言及した。

慰霊碑に献花し被爆者を抱き寄せたオバマ大統領の姿をYouTubeで見た。


2009年のプラハ演説では

「アメリカは核兵器を使用した唯一の核保有国として、

行動を起こす道義的責任を有する」

As the only nuclear power to have used anuclear weapon,

the United States has a moral responsibility to act.

と、原爆投下に対する責任に言及した。


ノーベル平和賞も受賞。


だが、未臨界核実験はオバマ政権下でも行われた。

個の信条と大統領職は一致しないのかもしれないし、

「見せかけ」なのかもしれない。


現実に目を向けるのは辛い。


「あなたはどこの国の総理ですか」

核兵器禁止条約に否定的見解の政府を批判した長崎の被爆者の言葉に共感。

だが、戦後72年を経てもアメリカの足枷をほどけない日本の哀しさ。

独立国でないアメリカ属国の総理の立場の弱さ…


戦没者の真の慰霊は靖国ではなく、

戦争のない世界を目指す志にこそ可能と信じる。




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# by lazygardener | 2017-08-10 08:21 | Comments(0)

100均で出会った「くるりんカッター」は優れもの。
上半期に買って良かったもの! のひとつ。

いつものおかずやおやつを素敵にドレスアップしてくれる。

今日のおやつは超簡単 さつまいもの素揚げ。
でも、ただのサツマイモチップでは無い。

「くるりんカッター」でらせん状に切ったさつまいもの
端っこをつなげてリース状にして揚げ焼きして、
お皿にのせて粉砂糖をふりかけたら、できあがり!

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さつまいもは鹿児島県鹿屋市の、かのや紅はるか。
油は、山形県天童市の米油。
ふるさと納税お礼の品を、100均グッズ利用でドレスアップ。
簡単でリーズナブルな、おやつ。

この簡単レシピを自慢したくて、cookpadに登録し、初レシピを
「簡単ゴージャス さつまいもチップ」として公開した。













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# by lazygardener | 2017-08-07 14:51 | 暮らし | Comments(0)